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ファッションデザイナーが思う「サステナビリティ」の話

こんにちは、久保です。 先日公開した「yoshiokubo 2023 Fall / Winter Collection」という記事の中で、最近の服作りに込める自分の想いを語らせてもらいました。

ーーきっと、しっかりと考え尽くして丁寧に作り上げた唯一無二とも言える一着を作ることができれば、簡単に“消費”されることなくずっと長く愛着をもって着続けてもらえるはず。 そういう考え方が、いまの時代のファッションに求められているーー

この言葉の根底には、ファッション業界に身を置く者として避けては通れなくなっている「サステナビリティ」への自分なりの考えが織り込まれています。今日はそのあたりのことについて、もう少し語ってみたいと思います。

ファッションとサステナビリティが今日のように大きく取り上げられるようになったのは、いわゆるファストファッションの台頭とそれに紐づく社会問題が明るみになったのがきっかけだったと記憶しています。

戦後、大量生産・大量消費のライフスタイルが続く中で、その大量に生産される洋服を作る現場では、当時、児童労働や労働搾取、危険労働など、到底看過できない問題が横行していました。そして2013年、世論が大きく変わるきっかけになった事件(「ラナ・プラザ崩壊事故」あるいは「ラナ・プラザの悲劇」)が起こりました。この話を見聞きしたことがある方もいらっしゃるはずです。

以降、ファッション業界はそうした問題を反省し、さらに、「E(環境)S(社会)G(ガバナンス)」を誠実に実践しているか? 国連の「SDGs(持続可能な開発目標)」に記されていることを受け止め、恥じない行動をしているか? ということを自問しながら、少しずつ変わりつつあるーー。 大まかに言うと、こうした流れが今日の状況に続いているのだと考えています。

そんな世の中において、ファッションデザイナーとして社会に対してできることのひとつとして、僕は、「大量消費に繋がらない服作りをする」というのが自分なりに社会に対してできることだと考えています。そうした意味で、「どこか懐かしく、しかし新しく、持ち主の心を掴んで離さない。日々を過ごす中で、一番近くであなたを守る心地良い服を作ろう」というyoshiokubo 2023/2024 Fall/Winterのコレクション「Self Defense」のコンセプトは、これから先、自分が服を作る上での基本になるとも考えています。

一方で、ファッション業界が直面している問題は非常に幅広くあります。 たとえば、「プラスチック素材のひとつであるポリエステル繊維を使う是非」や「毛皮使用の是非」、「服作りの工程における価値観とお金の話」、「アップサイクルへの取り組み方」「中古市場での売買と品質担保の問題」なども重要なトピックでしょう。

ファッションとサステナビリティについて、今の段階では、僕自身がいろんな疑問やわからないことだらけな中にいます。

ただ、これまで通り「デザインやブランドそのものが好き、気に入ったから買う」という買い方だけでなく、「ブランドのサステナビリティに対するスタンス、考え方、価値観に共感・共鳴して選んで買う」という方も増えてくるのだと確信しています。 そうだとしたら、yoshiokuboのデザイナーである僕は、これからファッションとサステナビリティのあり方について勉強しながらここで発信し、みなさんが服を選ぶ際の判断に役立つ情報を示していかないといけないと思っています。

ということで、ファッションデザイナーとして、サステナビリティを語る機会も増やしていこうと思います。ぜひ、お付き合いください。

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