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初めて自分で洋服を買ったはなし。

こんにちは、久保です。今回は初めて自分で選んで買った洋服の話をします。

当時の僕からすると、ちょっと背伸びしてでも「欲しい!」と思う服を買うとしたらデパート。大阪出身なんで、梅田の阪急百貨店によく行きました。品揃えというか、ブランドがたくさん入っていて、色々選ぶにはええとこなんです。

服に興味を持ったのは中学3年生の秋ぐらいでしょうか。梅阪(うめだ阪急)に行き、そこで見つけた「ポール・スミス」のシャツが初めて自分で買ったブランドです。1万5,000円ぐらいの品で、定価で買いました。貯めていた小遣いやお年玉が原資です。

それは、襟だけプリントが施されたコーデュロイの素晴らしいデザインで、一目惚れに近い感覚で買いました。一つ買ってファンになってからは、また欲しくなり、次はペンキが飛び散ったようなシャツを買いました。それからは、買わなくても毎週、ポール・スミスのショップに足を運ぶようになりましたね。

ポール・スミス好きが高じて、高一の夏にはヨーロッパにまで行きました。当時、家庭教師をやってくれていた医大生の先生がバックパッカーとして旅行に行くというので、ついていったのです。帰国日時を決めないキャセイパシフィック航空のオープンチケットを買って40日間ほどの旅行。高校の担任の先生の赦(ゆる)しを得て、夏休みの少し前に日本を立ちました。人生で唯一日記を書いたのもこの時でした。

最初に着いたのがロンドン。ロンドンきっての繁華街のひとつ、ピカデリーサーカスに出向き、憧れのポール・スミスの店に入りました。で、なんですが、売ってるもんがえらく高く、買えるものがひとつもありませんでした。結局、近所の変な店で緑の帽子を買って宿に戻りました。

その後、ヨーロッパの国々をまわり、北アフリカのモロッコにまで行きました。セレクトショップみたいなところも有名どころはほとんど行き、オランダでは肩パッドがばーんと入った革ジャンを買いました。 ポール・スミスがきっかけで興味を持ったファッションですが、ヨーロッパをまわることでめちゃくちゃ服が好きになりました。服というよりデザインへの興味と言った方がいいかもしれません。洋の服の本場に身を置くことで、生活とか社会とデザインが自然に一致している事を感じ取ったからかもしれませんね。

高校生の時分に買ったポール・スミスのシャツは、まだ実家にあるはずです。毎年帰省しても、「絶対捨てんといて」とおふくろに言ってますから。洋服はほっといても長持ちするもんですが、それだけでなく、長く愛着を持って着てもらえるプロダクトを自分でも作っていきたいーー。ポール・スミスのシャツの事を思い出すと、いつもそんな気持ちになります。

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