8月からオンラインショップで、「Fall / Winter Collection」の販売が始まりました。 順次、新しい商品を出しているので、そちらもぜひ見ていただきたいのですが、今回はその中でもキーになる「combo vest」の話です。
さて。もう9月下旬なのですが、秋冬が来る気配がないくらい暑いですね。最近は、「秋が感じられなくて、冬も短くなっている」と感じるほど。ファッションデザイナーとしては、「そんな気候に合わせて冬服も変えていかないといけないな」と思うようになりました。
そこで、2023 Fall / Winterでは、「冬は短くなっているけど、それでも寒い日はある。変わりつつある気候にも順応しながら、短期間化する本当に寒い日を耐えしのぐならどんな服がいいのか？」というところから機能性をいろいろと考えました。
そうして考えついたのが、「combo vest→ライトアウター（ショート）→ロングコート」をすべて身につけると“完全体”になる、けれど、それぞれ単体で着てもちゃんと成立していて着こなせる服ーーです。 今回取り上げる「combo vest」は3つのアイテムの中でもキーになるもので、これだけは絶対に自社ECでも扱いたい！ と思った一着です。
内側はフリースでこれだけでも十分あたたかく、重ね着した時にレイヤード感がしっかり美しい仕上がりになっており、写真のようにTシャツの上に羽織るとそれだけできちんとサマになるよう考えてあります。
今回、combo vestを作る中で、改めて発見したことがあります。
スリーピースのスーツのベストなんかは特にそうですが、ベストって体側（脇の下）部分が短くなってますよね？ あれはどういう意味なのかというと、やっぱり「動きやすさ」を確保するためなのだろうな、と。 体側の部分を短くすると、大きな動作をしてもベストがそれにつられて動くことがないので動きやすく、ピシッとした状態が保たれてかっこいい。見栄えも機能性もいいところに落ち着かせるとあんな形になるのだな、というわけです。
以前のブログでも触れましたが、今回のコレクションのテーマは「Self Defense」で、ダイナミックなアクションが魅力の功夫（カンフー）映画からイメージを広げています。だから、「動きやすい服であること」は、2023 Fall / Winterのアイテム全てを通じて重要な事柄だったんです。
ここで少しだけ昔話を。
ブルース・リーは圧倒的なヒーローで強く憧れる存在だったのですが、僕たちの年代がより夢中になったカンフーヒーローといえばやっぱりジャッキー・チェン。彼の主演作はコミカルでわかりやすく、おもしろかったんですよ。 彼が主演する映画は映画館にも見に行ったし、TVで放映される時もかじりつくようにして見ていました。もちろん、友達と一緒に『酔拳』のモノマネもしました。笑
そんな大好きなジャッキーの映画をいつだって見たいから、VHSデッキが欲しくてたまらなかったのですが……当時はまだまだ高価な代物で、僕の家にそれがやってきたのは僕が小学校6年生になる頃だったと記憶しています。
そんなわけで、長い間、本当に欲しくて欲しくてたまらないけれど、実物のVHSデッキを見たことすらなかったのですが、お風呂屋さんをしているY君は家のお手伝いをしてそれでデッキを買い、ジャッキーの映画をビデオテープに録画して24時間好きな時にジャッキーの映画を見ているとのウワサが！ ジャッキーと一緒に悪者と戦っている（と、空想して）寝る時は用心のためにお腹に週刊ジャンプを仕込んでいたほどジャッキー映画にのめり込んでいた僕は、あまりにも羨ましくてVHSデッキとビデオテープを見せてもらいにY君の家に遊びに行ったことを覚えています。
そのくらい憧れたジャッキー・チェンや、夢中で見ていたカンフー映画のことを思い出しながら構想を練り上げた2023 Fall / Winterですから、その当時の洋服の“どこか懐かしい匂い、レトロ感”が漂っているかと思います。 あの当時の冬服って、中国でも日本でもそうなのですが、中綿が入っているからちょっとふっくらしていて、綿が逃げないようにキルティングが施されていたりしていたんですよね。
ただ、そのデザインをそのまま今の時代に持ってくると野暮ったさは否めないので、yoshiokuboとしてそこにモダンな要素ーーたとえば、効果的に黒を配色したり、異素材を使ったり、カッティングを工夫したりーーを加えました。
あと、この「combo vest」の特徴として語るなら、やっぱり「ポケットがたくさんあること」は外せません。 常々言っていることですが、僕は「バッグは持ちたくない派」なので、手持ちのスマホやキーケース、カード類をしまえるようなポケットをたくさん備え、「ポケットが少ないからモノを入れて膨らんでしまい、不恰好になる」とか「やっぱりバッグを持たないといけない」なんてことにならないようにしています。
そんな昔を懐かしみながら今の自分の考えとか服づくりに関する知識とか、より洗練されたテクニックなんかを取り入れて、「どこか懐かしく、しかし新しく、持ち主の心を掴んで離さない。日々を過ごす中で、一番近くであなたを守る心地良い服を作ろうーー」。 これが、yoshiokubo 2023/2024 Fall/Winterのコレクション「Self Defense」のコンセプトであり、そのひとつの重要なピースが今回紹介した「combo vest」です。
しっかりと考え尽くして丁寧に作り上げた唯一無二とも言える一着になっていると思うので、ぜひずっと長く愛着をもって着続けてもらえたら嬉しいです。 オンラインショップでは、いろんな角度から見た着こなしの画像や生地の質感がわかる写真がたくさんあるので、こちらもぜひご覧ください。 「combo vest」の詳細はこちら
yoshiokubo 2023/2024 Fall/Winterのコレクション「Self Defense」の世界観はこちらから。
ジャッキー・チェンの映画では“お約束”のNGシーンもまとめています！
さて。もう9月下旬なのですが、秋冬が来る気配がないくらい暑いですね。最近は、「秋が感じられなくて、冬も短くなっている」と感じるほど。ファッションデザイナーとしては、「そんな気候に合わせて冬服も変えていかないといけないな」と思うようになりました。
そこで、2023 Fall / Winterでは、「冬は短くなっているけど、それでも寒い日はある。変わりつつある気候にも順応しながら、短期間化する本当に寒い日を耐えしのぐならどんな服がいいのか？」というところから機能性をいろいろと考えました。
そうして考えついたのが、「combo vest→ライトアウター（ショート）→ロングコート」をすべて身につけると“完全体”になる、けれど、それぞれ単体で着てもちゃんと成立していて着こなせる服ーーです。 今回取り上げる「combo vest」は3つのアイテムの中でもキーになるもので、これだけは絶対に自社ECでも扱いたい！ と思った一着です。
内側はフリースでこれだけでも十分あたたかく、重ね着した時にレイヤード感がしっかり美しい仕上がりになっており、写真のようにTシャツの上に羽織るとそれだけできちんとサマになるよう考えてあります。
今回、combo vestを作る中で、改めて発見したことがあります。 スリーピースのスーツのベストなんかは特にそうですが、ベストって体側（脇の下）部分が短くなってますよね？ あれはどういう意味なのかというと、やっぱり「動きやすさ」を確保するためなのだろうな、と。 体側の部分を短くすると、大きな動作をしてもベストがそれにつられて動くことがないので動きやすく、ピシッとした状態が保たれてかっこいい。見栄えも機能性もいいところに落ち着かせるとあんな形になるのだな、というわけです。
以前のブログでも触れましたが、今回のコレクションのテーマは「Self Defense」で、ダイナミックなアクションが魅力の功夫（カンフー）映画からイメージを広げています。だから、「動きやすい服であること」は、2023 Fall / Winterのアイテム全てを通じて重要な事柄だったんです。
ここで少しだけ昔話を。 ブルース・リーは圧倒的なヒーローで強く憧れる存在だったのですが、僕たちの年代がより夢中になったカンフーヒーローといえばやっぱりジャッキー・チェン。彼の主演作はコミカルでわかりやすく、おもしろかったんですよ。 彼が主演する映画は映画館にも見に行ったし、TVで放映される時もかじりつくようにして見ていました。もちろん、友達と一緒に『酔拳』のモノマネもしました。笑
そんな大好きなジャッキーの映画をいつだって見たいから、VHSデッキが欲しくてたまらなかったのですが……当時はまだまだ高価な代物で、僕の家にそれがやってきたのは僕が小学校6年生になる頃だったと記憶しています。
そんなわけで、長い間、本当に欲しくて欲しくてたまらないけれど、実物のVHSデッキを見たことすらなかったのですが、お風呂屋さんをしているY君は家のお手伝いをしてそれでデッキを買い、ジャッキーの映画をビデオテープに録画して24時間好きな時にジャッキーの映画を見ているとのウワサが！ ジャッキーと一緒に悪者と戦っている（と、空想して）寝る時は用心のためにお腹に週刊ジャンプを仕込んでいたほどジャッキー映画にのめり込んでいた僕は、あまりにも羨ましくてVHSデッキとビデオテープを見せてもらいにY君の家に遊びに行ったことを覚えています。
そのくらい憧れたジャッキー・チェンや、夢中で見ていたカンフー映画のことを思い出しながら構想を練り上げた2023 Fall / Winterですから、その当時の洋服の“どこか懐かしい匂い、レトロ感”が漂っているかと思います。 あの当時の冬服って、中国でも日本でもそうなのですが、中綿が入っているからちょっとふっくらしていて、綿が逃げないようにキルティングが施されていたりしていたんですよね。
ただ、そのデザインをそのまま今の時代に持ってくると野暮ったさは否めないので、yoshiokuboとしてそこにモダンな要素ーーたとえば、効果的に黒を配色したり、異素材を使ったり、カッティングを工夫したりーーを加えました。
あと、この「combo vest」の特徴として語るなら、やっぱり「ポケットがたくさんあること」は外せません。 常々言っていることですが、僕は「バッグは持ちたくない派」なので、手持ちのスマホやキーケース、カード類をしまえるようなポケットをたくさん備え、「ポケットが少ないからモノを入れて膨らんでしまい、不恰好になる」とか「やっぱりバッグを持たないといけない」なんてことにならないようにしています。
そんな昔を懐かしみながら今の自分の考えとか服づくりに関する知識とか、より洗練されたテクニックなんかを取り入れて、「どこか懐かしく、しかし新しく、持ち主の心を掴んで離さない。日々を過ごす中で、一番近くであなたを守る心地良い服を作ろうーー」。 これが、yoshiokubo 2023/2024 Fall/Winterのコレクション「Self Defense」のコンセプトであり、そのひとつの重要なピースが今回紹介した「combo vest」です。
しっかりと考え尽くして丁寧に作り上げた唯一無二とも言える一着になっていると思うので、ぜひずっと長く愛着をもって着続けてもらえたら嬉しいです。 オンラインショップでは、いろんな角度から見た着こなしの画像や生地の質感がわかる写真がたくさんあるので、こちらもぜひご覧ください。 「combo vest」の詳細はこちら
yoshiokubo 2023/2024 Fall/Winterのコレクション「Self Defense」の世界観はこちらから。
ジャッキー・チェンの映画では“お約束”のNGシーンもまとめています！